映画 ミルコのひかり



ミルコのひかり
2005年/イタリア/クリスティアーノ・ボルトーネ監督



現在、イタリア映画界でサウンド・デザイナーとして活躍するミルコ・メンカッチの少年時代の実話に基づいた映画です。
1970年代、イタリア。不慮の事故により両目の視力を失ってしまった少年は、全寮制の盲学校へ転校します。そこでの教育や環境に反発しつつも、やがて一台のテープレコーダーと出会うことによって、映画好きのミルコは、全身の感覚とテープレコーダーを使って自分の想像力を表現していきます。


ミルコが自分の耳を研ぎ澄ませて、音をキャッチし、新しい音や物語を作り上げていくシーンは鳥肌が立ちました。障碍の有無に関係なく、周りが見えなくなるほど何かに熱中すること、五感を使って感じ想像し、頭を使って考え、形にすること。映画の中で、ミルコはそれを全身で表現しています。


映画では1970年代イタリアの盲学校の閉鎖的な環境も描かれています。
視力を失った子は、盲学校へしか行けない。そこでの教育は、古い規律に縛られた圧力的なもの。
『ミルコのひかり』は一人の少年の物語であると同時に、当時の盲学校の劣悪な状況を教えてくれる映画でもあります。


ちなみに、原題は“Rosso come il cielo” (空のように赤く)です。