忘れていくこと
また「情熱大陸」にやられた・・・ 若年認知症の越智俊二(おちしゅんじ)さん、59歳。49才のサラリーマン時代に発症し、徐々にもの忘れがひどくなり、退社。現在は無職。6月に公開された映画「明日の記憶」のモデルになった方。

自身が認知症でありながらも、実態を知ってもらうため、偏見をなくすため全国を公演活動で飛び回っている。しかし・・ゆっくりと症状は進行している。講演で用意している原稿も、最近は漢字を忘れはじめていて、ひらがなで書かれている。子どもの名前も忘れ、通いなれた駅でも迷い、電話がなっても出かたが分からず、少し前に話した会話、出かけた旅行などの記憶も忘れていく。

それでも奥さんは「そんなことも忘れたの?」などという言葉は使わない。「まだ他に憶えていることが沢山あるじゃない」と励ます。越智さんは番組の中でこう言った。「母さん(奥さん)の事だけは忘れたくない」と。全てを忘れていく中で、奥さんを忘れないこと・・・パートナーの大切さを改めて認識させられ、進行を遅くしている原因もココにあるのではと思った。

憶えておきたいことを忘れる不安。病気を受け入れてもなお進行する現実。本人も家族も、私には理解できない苦労があっただろう。が、「大切な今日一日一日、その時その時を母さんと一緒に前に前にの気持ちで笑って生きたいです」という、越智さんの言葉。「今」を生きようとする前向きな姿勢に考えさせられた。

生きていくことは辛いことが多いが、生きていることはやっぱりすばらしいことだ。ちゃんと生きよっ。