教育 その2
妻の友人が「障害があってもなくても、関係なく、子供を野外でいろんな体験させてみよー」という趣旨の活動をしているので、これはある意味テミル思想だ!ということで家族で参加してみた。(実は2年前にも参加したが参加者が少なかったのであまり意味がなかった(^^;)今回参加したのはウチの子とその友達3人、ダウン症の子3人、多動症の子1人、自閉症の子1人とその家族。大人数でテントを立て、食事もみんなでつくり、焚き火をしたり、ドラム缶風呂に入ったり、星を見たり、虫を捕ったりの2泊3日。

以前にも書いたが、子供には障害者とか何とか関係なく遊ぶという基本的なスタンスはあると思う。(ちょっとだけ動物的な本能というか、きちんと理性を与えないと生物的に差別しようとしているのではと感じることもあったが)障害がなくてもコミュニケーションを取りにくい子供だって沢山いるし、いろんな人間がいるんだってことは小さいうちから(何となくでも)理解出来た方がいいと思う。ただ今回はちょっと深く考えさせられた。

息子が何かを取られたらしく、ある子を追いかけていった。その子の前で立ちふさがり何かを言っていた。すると、その子は持っていた虫取り網で息子の顔をたたいてしまった。私が一部始終を見ながら近づいていくと、息子は「あの時に殴っていればよかった・・」と言いながら、もの凄い顔で泣きながら悔しがっていた。そして睨みながら何かに耐えていた。

その場は、何とかおさまったが息子は全く納得がいっていないようだった。これも障害があってもなくても子供どうしにはよくあることだろうが、何か伝わりきれない苛立ちを感じていたようだ。今までのようなやりとりでは切り抜けられない何かがあると感じていたようだった。彼は彼なりに何かに気を使っていたようだった。が、裏切られた感じを持ってしまった。そしてあの言葉が出たのだろう。

その後、息子をたたいてしまった子のお父さんがわざわざ2人で謝りに来てくれた。お父さんは彼に「謝ろう。きちんと謝ろう。それが出来なければおまえはこれから生きていけないんだ!」と泣いて謝らせようとしていた。私と息子は待っていた。彼が謝るのを。しかし謝れなかった。いや、彼は謝っていたのかもしれないが分からなかった。「これが精一杯なんです。すみません・・」とお父さんは泣きながらいってしまった。

正直、私はその間ずっと、どう対応してよいのか悩んでいた。「いいですよ、いいですよ。」といえば、その子には無理だからいいですよと言っているようだし、何よりもお父さんの気持ちをどう受け止めればいいのか、普通の子供のケンカなのに普通ではない展開になり、普通にしようしようと思えば思うほど「見下した感」があるようで戸惑った。

子ども達はといえばそのすぐ後でもう仲直りして遊んでいる。まだちょっと違和感はあるけど、普通に遊んでいる。私はショックが抜けない。その後もずっと考えた。私はあのお父さんのようになれるのか。障害をもった子供を、とくに精神的な障害をもった子供を育てられるのか。そもそもどう接すればいいのか、あれで良かったのか。こういう事を考えるのはそもそもおかしいのか。いや、仕方がないことなのか。息子は我慢しないで普通にケンカをしていたほうが良かったのか。我慢させてしまって良かったのか。そういう教育で良かったのか。いろいろ考えた。  

ただ、間違いなくこのキャンプに来て良かった。私も息子も(多分)。そう思った出来事だった。
また来年、お互いどう成長してるのか楽しみである。

※そうそう、彼はその後こっそりと私に謝りに来てくれた。近くにきて隣に来て、恥ずかしそうに何も言わず頭を下げていた。
しばらくして、母親が来たのに気が付き去っていってしまったが、きちんと謝っていた。あの真剣な顔は今でも忘れられない。